老松亭宗宅は、退渓・李滉の祖父である李継陽により1454年に建てられました。その後、退渓・李滉が1501年 11月にこの家で誕生し、『退渓胎室』と呼ばれるようになりました。
母屋は中庭を中心に『ㅁ』字型で、母屋の中央にして3面を欄干で囲み『누』型の独特な形につくられた場所が退渓胎室です。東南側の角にある縁側で大きな舎廊と小さな舎廊に分けられたその縁側の上には、『温泉精舎』という扁額がかけられています。母屋の東側には『ㅡ』字型の建物である老松亭があり、その右側には祠堂があります。大門は、聖臨門といいます。
老松亭宗宅は、全体的に李氏朝鮮王朝時代の士大夫(科挙官僚で地主かつ文人)家門の風貌を備えています。特に、胎室のような独特な部屋からは、上流住宅の一面がうかがえます。